「抗体検査」東京の献血で0.6%陽性、結果にばらつき
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この数字と、大学病院や一医療機関から発表された数字を見比べると、いかに数値の母集団への適応が難しいかが分かると思います。
この数字のばらつきは、サンプルの選び方や用いた検査方法の正確性の異なりを考えれば当然の結果とも言えます。
ただし、ここで必ずしも検査の不正確さを嘆く必要はなく、どのぐらい不正確になりうるかが分かっていれば推計に用いることができるようになります。
また、サンプリングについていえば、この数値を東京都の母集団に当てはめようとする時、献血サンプルはランダムだと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、「献血に来るような人」という偏りがあることに注意が必要です。
すなわち、「献血に来るような人」に当てはめるなら確からしさが上昇しますが、東京の一般人口に当てはめるのは難しいかもしれません。
改めて、疫学調査は、標準化された検査手法で、適切なサンプリングで行うことが大切なのだとよくお分かりいただけると思います。
裏を返せば、検査の精度を認識し、上記のような解釈を加えることで、抗体検査は十分意味のあるデータにもなりえます。検査の結果を信頼できるものにするためにも、検査キットの精度の検証はとても重要。
実際には、キットの精度だけではなく、検体採取がしっかりされたかどうかなど他の要素も検査結果に影響してきます。だからこそ、不確実な要素は極力減らしておくべきで、
今回の厚労省の献血検体を用いた性能評価はとても有意義。
100%正確な検査はないのもまた事実なので、
どの程度の精度かを把握しておくことが重要です。0.6パーセントというのは測定誤差の範囲内です。即ち、その程度の罹患率(抗体保持率)を一つの検査で調べることはできません。
山田先生が指摘しているように、献血に行く人という強い選択バイアスがあります。それを差し置いても、そもそも日本のコロナ既感染者はそこまで多くないから、正確に○%と推定することはできません。そこまでの検査精度が担保されてないから。
そもそもどうやって抗体検査の感度や特異度を調べているんでしょうか。本当の答え(既感染かどうか)がわからなければ推定不能です(この点は私が知らないだけかもしれません)。