【安永竜夫】「人の三井」組織を超えて変革と成長を成し遂げる

2020/6/27
現在、世界65の国と地域で事業を展開。連結従業員数は約4万5000人。巨大商社、三井物産のトップが安永竜夫社長だ。社内序列で32人抜きという異例の抜擢を受け、2015年、三井物産史上最年少で社長に就任。1年目の決算では創業以来初となる赤字に転落したものの、翌年には見事にV字回復を成し遂げた。
主に化学や発電所などのプラント事業畑を歩み、担当した地域は五大陸を制覇。舞台は砂漠かジャングルかツンドラか。そうした過酷な地域で、ハードな交渉をまとめ上げ、いつしかタフネゴシエーターへと成長。
三井物産には「人が仕事をつくり、仕事が人を磨く」という言葉がある。安永社長は数々の修羅場体験をくぐり抜ける中で、デリバラビリティ(Deliverability)、すなわち想定通りに結果を出せる力を獲得していった。その仕事人生を振り返る。(全7回)
社員に裁量と挑戦の機会を与える
「人の三井」とよく言っていただきますが、三井物産の最大の強みは人。三井物産の本質的な価値は社員一人ひとりにあると考えています。
三井物産には、「人が仕事をつくり、仕事が人を磨く」という言葉があります。
社員に裁量と挑戦の機会を与え、現場体験を通じて修羅場を経験させる。そうして強い個を育てる文化が組織の隅々にまで浸透しています。
安永竜夫(やすなが・たつお)/三井物産 社長
1960年愛媛県生まれ。83年東京大学工学部卒業、三井物産入社。主に化学や発電所などのプラント事業畑を歩む。経営企画部長、執行役員機械・輸送システム本部長を経て2015年4月から現職。当時、上席の役員32人を飛び越え、社長に抜擢され注目を集めた。
三井物産には、組織よりもむしろ個人を大事にしようという発想が強くあります。このため一人で何かを達成することの醍醐味を覚えられる部分は非常に多い。
ただし、一人ではできない。一人で責任を負う仕事が多いけれど、一人ではできないという仕事をたくさんやっているのです。
一人ではできない仕事を、どう社内外のネットワークをつくってやっていくか。