【西口一希】「ヴィダルサスーン」を蘇生させたシンプルな方法
2020/6/17
消費が動き出した今、再び「マーケティング」が注目されている。
P&G、ロート製薬、ロクシタンジャポンで、数々の売り上げ記録を樹立し、2017年にスマートニュースに参画。圏外だったアプリランキングを1年後に1位まで引き上げるなど、「結果を出すマーケター」として知られる西口一希氏。
意外にも、そのキャリアは華麗な成功録でなく、泥臭い失敗経験から得られた学びの蓄積だったという。「9segs(ナインセグズ)モデル 」「N1分析」など独自の顧客戦略理論を携え、新たな挑戦を続ける西口氏が初めて語る「仕事の哲学」とは。(全7回)
「ヴィダルサスーン」のテコ入れ
ブランドマネジャーとしてのキャリアが終わりかけた私に巡ってきたラストチャンスは、「ヴィダルサスーン」という既存のシャンプーブランドのテコ入れでした。
90年代初めに上陸したヴィダルサスーンは、ヘアサロン仕様の洗練されたイメージで一世風靡したものの、売り上げの停滞が続いていました。
私がブランドマネジャーとなったときには、一度計画したリニューアルが頓挫したところで、新たなリニューアル案を求められているタイミングでした。
大規模な調査のスコアを根拠に、コンセプトを固めて失敗に終わった前回とは真逆のアプローチで、今度は「現場の声」を拾うことに時間を費やしました。
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この連載について
ビジネスや働き方が多様化し、正解がない時代に、自分を信じて一心に仕事をする人たちがいる。そこにあるのは独自の「哲学」だ。仕事人のヒストリーをたどり、道標となった哲学を浮き彫りにしていく。
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