【西口一希】「パンテーン」大成功から一転、大失敗で得た教訓

2020/6/16
消費が動き出した今、再び「マーケティング」が注目されている。
P&G、ロート製薬、ロクシタンジャポンで、数々の売り上げ記録を樹立し、2017年にスマートニュースに参画。圏外だったアプリランキングを1年後に1位まで引き上げるなど、「結果を出すマーケター」として知られる西口一希氏。
意外にも、そのキャリアは華麗な成功録でなく、泥臭い失敗経験から得られた学びの蓄積だったという。「9segs(ナインセグズ)モデル 」「N1分析」など独自の顧客戦略理論を携え、新たな挑戦を続ける西口氏が初めて語る「仕事の哲学」とは。(全7回)
「パンテーン」成分を黄色で表現
パンパースの後に担当したのは、ヘアケア部門のシャンプーブランド「パンテーン」でした。この仕事では、伝えにくい特徴を、直感的に理解できる形に変換し、新しい価値を生み出す経験をさせていただきました。
「パンテーン」
パンテーンは、日本に上陸してしばらくたち、そこそこ売れてはいましたが、ブランドとしては今ほど認知はされていない状況でした。
商品について調べてみると、「パンテノールB5」というビタミン誘導体成分の機能性が訴求ポイントであると分かったのですが、いまいち消費者には伝わっていない。
ヒアリングを重ねると、ビタミンの一種だという説明には「なんだか良さそう」という反応が返ってくるものの、理屈だけでは手が伸びません。
一方で、スキンケアの市場を見渡してみると、ある外資系ブランドが投入した丸い透明カプセル粒状の美容液商品がヒットしているというトレンドも耳に入ってきました。
では、パンテノールB5も、より視覚的にアピールするビジュアルを打ち出せないだろうか?と考えました。