【アパレル全史】日本ブランドが「世界でブレイク」する条件

2020/5/17
本連載では、新型コロナ感染症の拡大によって生じたファッション観や消費行動の変化によって、今まさに岐路に立たされているファッションビジネスなどについて話を伺っている。第3回は、これから世界に羽ばたく人材に必要なことをシャネルの人生から解説いただだく。

「誰も私にはなれない」という自負

──変革期を迎えているファッション業界において、今後ブレイクする可能性を秘めているブランドの条件とは何でしょうか?
中野 ファッションが他のビジネスと異なるのは、「成功のセオリー」がないことです。誰かが過去に成功した方法をなぞっても、成功できるわけではありません。
昨年亡くなったカール・ラガーフェルドは、シャネルでもフェンディでも長年にわたり、ビジネスを成功させました。しかし、自身のブランドを成功させることはできませんでした。
すでに高い評価を得ているデザイナーであっても、ブランドを成功させられるかどうかはわからない。そういう難しさがファッションにはあります。