【新指標】「この数字」をみれば、コロナの出口が分かる

2020/5/14
新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が延長されて半月。政府は5月14日、専門家による中間評価を受けて、解除の基準などを公表する予定だ。
解除後の感染再拡大を懸念する声もある中、独自の解析に基づき、「日本では解除後も、感染爆発は起きない」と明言する研究者がいる。
核物理学者の中野貴志・大阪大学教授だ。
提案するのは、直近のPCR検査の陽性者数の動向から、近い将来の推移を予測する、新たな指標だ。
K値──。
中野氏らが公開したこの論文はまだ学術誌の査読前ではあるものの、シンプルで、かつ国内外の感染者数の推移をよく説明できることから、研究者の間から次々と称賛の声が挙がっている。
K値とは何か。そして、これを使って読み解いた今後の収束見通しについて、中野氏がNewsPicks上でわかりやすく解説する。

日本の感染者推移は「特異」?

中野 緊急事態措置は、どの指標がどのような結果になれば解除されるのか?
4月末の自粛延長を経て、みんな、よくわからなくなってきている頃ではないでしょうか。
私はつい最近、感染の状況をシンプルな指標で示した論文を上梓しました。その指標を紹介します。
そして、なぜアメリカで感染爆発が起きて、日本では起きていないのか。これからも日本では起こり得ない理由までを、この指標を使って、順に説明していきましょう。