【亀山×古市憲寿】僕は「頑張らずにできること」を仕事にする

2020/5/17
DMM.com会長の亀山敬司氏が各方面からゲストを迎え、脱力系ながらビジネスの本質をつく対談企画「亀っちの部屋」Season2。
今回のゲストは社会学者で作家の古市憲寿氏。東京大学大学院で社会学を専攻し、25歳だった2010年に、フィールドワークとしてピースボートに乗船し、そこから見える現代社会の特徴について綴った『希望難民ご一行様』(本田由紀氏との共著)でデビューした。
その後、テレビのコメンテーターとしても活躍しつつ、2018年には『平成くん、さようなら』で小説家デビュー。『百の夜は跳ねて』と2作連続で芥川賞候補にノミネートされるなど、旺盛な作家活動も行っている。
今回は、有名になることのメリット・デメリットや、仕事の選び方についてトークが展開された。歯に衣着せぬ物言いが持ち味の古市氏。亀山氏がたじたじになる場面もあった(収録は東京都の緊急事態宣言前に実施されました)。
*本対談の音声はこちらからお聞きください
小説なら「自由に」発言できる
古市 ここ、亀山さんの会長室ですか。
亀山 そうだよ。
古市 めちゃくちゃシンプルですね、神棚や日本刀が置いてあるイメージでした。
亀山 なんだよそれ(笑)。
古市 亀山さんはもっと、ギラギラした野心の塊みたいな人だと思っていたんです。しかも顔出ししないくらいだから、もっと怖い人なのかと。初めて会ったときは、こんなにソフトな人だったのかと驚きました。
──お二人が顔を合わせるのは、今日が2回目だそうですね。
古市 「G1サミット」という経済人や文化人、政治家などが集まるイベントがあり、2019年の会でお会いしました。
亀山 あのとき「遊びに来いよ」と言ったのに、全然来ないじゃない。
古市 本当に行っていいのかなって。社交辞令だと思うじゃないですか(笑)。
亀山 再会できてうれしいよ。それにしても、小説を書いてるとは知らなかった。
古市 これまで社会学者として評論を書いたりテレビに出たりしていましたが、どうしても一つのことだけをしていると、窮屈に感じて飽きてしまうんです。
それに、書いてみて気づいたんですが、小説はすごく自由なんです。今日の取材も含めて、メディアだと言いたくても言えないことがあるじゃないですか。言ってもカットされるし。
古市 憲寿(ふるいち・のりとし)/社会学者・作家
1985年、東京都生まれ。社会学者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員。若者の生態を的確に描出し、クールに擁護した著書『絶望の国の幸福な若者たち』で注目される。2018年、初の小説単行本『平成くん、さようなら』を刊行。翌年の『百の夜は跳ねて』とともに2作連続芥川賞候補作となり話題を呼ぶ。近著に3作目の小説『奈落』。
亀山 それでも抑えてるんだ。
古市 めちゃくちゃ抑えてますよ。でも小説はフィクションだから、何でも書けるのがいい。
亀山 それはわかる。だから俺もちょっと小説を書きかけたことがあるんだけど、途中で飽きてやめちゃった(笑)。
──古市さんは長い間、小説を書きたいと思っていたのですか。
古市 そういうわけではないんですけど、きっかけは祖母の死でした。