【3分解説】コロナで高まる「EU不要論」の誤解と正解

2020/5/17
イタリアやスペインを中心に、新型コロナのパンデミックが起こった欧州。そんなヨーロッパのコロナ禍で、一帯を取りまとめる欧州連合(EU)はどのような役割を果たしたのか。

日本ではあまり報道されていない欧州のコロナ対策とEUのリーダーシップについて、EU研究を専門とする北海道大学法学部・公共政策大学院の遠藤乾教授に解説してもらった。

コロナ禍で、EUは何をしたか

新型コロナ危機の暗雲が立ち込めて、はや数カ月。世界は一変した。
この期に及んでいまだ、カフェやレストランのないパリは想像し難い。一時、一日当たり1000人ほどの死者が出ていたイタリアは悪夢の中にいるようだった。
この間、EU(欧州連合)は無策で無力と言われ続けた。典型的な例を挙げれば、東京大学の藤原帰一教授は、「EUが果たした貢献は、みじめなほど小さかった」と総括している(朝日新聞4月15日夕刊)。
このあたりは、丁寧な解説が必要なところである。というのも、EUという存在はニュアンスの塊であり、なかなか理解しにくい多面体だからである。