[東京 12日 ロイター] - SCREENホールディングスは12日、2020年3月期の連結営業利益が前年比57.6%減の125億円だったと発表した。半導体製造装置の売り上げは先端投資が堅調だったがメモリー向けが減少し、重しとなった。

売上高は同11.3%減の3232億円だった。半導体製造装置事業は、次世代通信網「5G」対応機器などの需要拡大でファウンドリー、ロジック、画像素子など先端投資向けは堅調だったが、データセンターやスマートフォン向け需要の低迷でメモリー向けが減少した。ディスプレー製造装置は大型パネル用製造装置の売り上げは増加したが、スマートフォン用の中小型パネル用が減少したほか、変動費率が上昇し、営業損失となった。

投資有価証券評価損や固定資産に関する減損損失を計上し、純利益は同72.3%減の50億円だった。

<21年3月期予想は未定>

期末の受注残について、廣江敏朗社長・最高経営責任者(CEO)は電話会見で、前の期末の1321億円が、20年3月期末(訂正)は1400億円になったとし「高水準で推移した」と述べた。

2021年3月期の業績予想は未定とした。新型コロナウイルスの影響を合理的に算定することが困難なためとしている。リフィニティブがまとめた営業利益のアナリスト予想平均は271億円。

廣江社長は市場について「中長期的な成長の見方に変化はない。5Gをはじめとする通信関連デバイス・サーバーの需要拡大の基調には変化ない」と指摘。現時点で4―6月期は前年同期比で増収増益を見込むとした。サプライチェーンや生産・出荷への影響は軽微で、装置の据え付け・立ち上げが順調に進むかがポイントになるという。

短期的にはコロナ終息時期やその影響は読みにくいとし、5月に予定していた次期中計の発表を延期した。当面はキャッシュアウトを抑える方針。すでにコミットメントラインを確保しているほか、追加の借入枠についても銀行と調整中で「資金は十分手当てしている」とした。

*12日配信の以下の記事で、本文4段落目の受注残の「20年度末」を「20年3月期末」に訂正します。

(平田紀之 編集:石田仁志)