イタリアで深刻化。新型コロナの本当の怖さは「後遺症」

2020/5/12

11週間たっても「回復」せず

ミラノ近郊に住むモリーナ・コロンビ(57)が、新型コロナウイルスの検査で「陰性」と診断されたのは3月16日のこと。これをもって、彼女はCOVID-19の「回復者」のひとりに数えられることになった。
イタリア全土が悲劇に見舞われているさなかにあって、彼女のケースは貴重な成功事例とも呼べただろう。しかし、実際には「回復」とは程遠い状態だった。ひどい咳と倦怠感は、一向におさまる様子がなかった。
5週間後の4月21日、コロンビは化粧品会社での仕事(メイクアップ化粧品のカラー開発)に復帰したが、息切れと筋肉の痛みは続いていた。じきに彼女は、ほんの短い距離を歩くだけでもつらいことに気がついた。
再検査を受けても、陰性の診断は変わらなかった。しかし、陽性と診断された日(イタリアで最初の都市封鎖が行われた、まさにその日のことだった)から11週間を経ても、彼女は依然として「正常」な状態に戻っていない。
「まだまだ時間がかかりそうです」と、コロンビは言う。「以前のようなリズムを取り戻せないんです」。
ミラノの街角。4月撮影(Alessandro Grassani/The New York Times)

仕事に復帰したくてもできない