ユニコーン企業を増やすことは本当に正しい目標設定なのか? - 次代の経営をかんがえる
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「価格」と「価値」は本来、別の概念。特に未上場株式の価格評価は誰かの主観を反映したものであり、目安にはなるものの、「価格」をベースに会社の優劣を論じると、本質を見誤ります。
「ユニコーン」という言葉はすっかり市民権を得た感がありますが、バリュエーションが1,000億円(あるいは$1B)を超えること自体には本来、何の意味もありません。
スタートアップを促進する社会的意義とは、社会に大きなプラスのインパクトを及ぼす会社を創出することであり、ユニコーンとはその代名詞、象徴であったはずです。
この点を見落とし、ユニコーンという言葉がひとり歩きして、単に時価総額1,000億円以上のスタートアップの創出が政策的な目標になりかねないこと、あるいはメディアで過度に喧伝されることについては、やや危うさを感じています。
スタートアップの世界では慣習的に、直近に発行された優先株の発行価格に発行済み株式数を掛けて評価額を算出します。便宜上、仕方ないことではありますが、本来、この考え方は正確なものではありません。
普通株や以前のラウンドで発行された優先株と、直近の優先株では、条項が異なり、本来価値が違うからです。
この慣習に従えば、極端な話、会社の株式の0.001%分を新規に発行して100万円で引き受けてもらうことができれば、簡単にユニコーンをでっち上げることができますし、誰にでも意図的にユニコーンを作り出すことができてしまいます。
これはさすがに極端な例ですが、とはいえ、似たような事例もないことはありません。
会社の本質的な価値が上がるのは喜ばしいことですが、今一度、ユニコーンの意義とは何かを考え直したいところです。
このあたりの問題意識、5年前にNewsPicksの連載で書いた頃から変わりません。(思い返すと5年前からバブルと言われていたわけですね)
ベンチャーバブル? スタートアップの「資金調達」を考える
https://newspicks.com/news/1004111/