三菱スペースジェット、70席M100見直しも 北米市場に不透明感、開発費は半減
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三菱重工の決算が発表となり、”お荷物”となっているスペースジェット(旧MRJ)も開発費半減や70席級の「M100」と呼ぶ機体の検討作業も一時中断が決まりました。
20年ぶりの赤字というのが企業としては大きな話ですが、6度目の納入延期を今年2月に発表したスペースジェットはさらに窮地に陥りました。現在は「M90」と呼ぶ90席クラスの機体を開発していますが、最大の市場である北米では労使協定の関係で70席クラスが求められています。
そこでM100を開発するわけですが、まだ検討段階でローンチする前です。その検討作業が凍結となり、新型コロナ収束後の北米マーケットを見て考えるとのことです。協定が急遽緩和されて90席クラスの機体を北米に投入しやすくなれば別ですが、現状のままであれば厳しくなりそうです。
すでに米国の航空会社では70席クラスの経年機の退役を早めていて、後継機需要が高まっていますが、このままだとリージョナルジェット機世界最大手エンブラエルに航空会社は流れるのではと感じます。北米が取れない限り、スペースジェットはただでさえ成功が危ぶまれているのに、ダメ押しになりかねないです。
ボーイングは新型コロナの影響を主な理由として、リージョナルジェット世界最大手であるブラジルのエンブラエルとの合弁事業を撤回しました。これがスペースジェットには追い風になりそうでしたがそうならない可能性もでてきました。
ちなみに三菱重工が現在示しているスペースジェットの納期は「21年度以降」で”おしり”を示してません。7度目の延期となったらどう表現するかも気になります。