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欧州委員長、ECB政策へのドイツ憲法裁判断巡り提訴も辞さない構え

Bloomberg
欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会は、ドイツ連邦憲法裁判所が欧州中央銀行(ECB)の金融政策に修正を命じる判断を下したことを巡り、週末に2回にわたりドイツを相手取り提訴も辞さない構えを示した。深刻なリセッション(景気後退)に見舞われる欧州大陸で制度的な対決が生じる可能性が高まった。
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ドイツ憲法裁判所の決定をドイツ出身の政治家が批判する。ドイツの司法の暴走(彼らは原理原則で動いているだけであり、悪意がないところが厄介です)を、EU/ドイツの政治が止めるという構図です。
ドイツが好む論理性は、必ずしも危機対応には相応しくない。論理的な国民性が良く回ると、例のロックダウン解除のシークエンスの様な誉れの高さにつながりますが、大局的な観点には必ずしも立てない。ある意味とても、ドイツらしい。
確かに今回のドイツ憲法裁の判断は危機対応ムードに水を差すものです。しかし、データを見ると、そこまでいきり立つものだろうか、という立場もあり得ます。というのも、今回ドイツ憲法裁が対象としたPSPPの月間購入額に占めるドイツ国債の割合は直近4月で2%程度しかありません。本来は26%買われるはずなのに、です。一方でイタリアは41%、スペインは16%です。本来はそれぞれ17%/12%買われるはずなのに、です。

つまり、何が言いたいかというと3か月以内にECBが適法性を証明できなかったからと言ってそれが(少なくとも市場が)注目するプログラムの全体感には大して影響しないということです。もちろん、本質的な議論として「こういう非常時にそういうことを言うな」というドイツへのけん制は必要としても、経済的な影響はそれほどではないように感じます。PSPP増額もPEPPも基本的にはイタリアやスペインの利回り抑制に主眼が置かれているものであり、ドイツ国債の購入が停まっても大した話ではないとは思います。しかも、現在主砲を担うPEPPは今回のジャッジには影響しないそうですから、尚の事、影響力は落ちます。

もっとも、過去に買われたドイツ国債を売るという話にも判断が及びそうですので、その場合の影響は無視できないものになりましょう。そのようなことをして一体誰が得をするのかという話ではあり、その点で欧州委員会が怒るのも無理は無いと思います。
下記ニュースの続報。フォンデアライエン欧州委員長はドイツの憲法裁判所の判断をめぐり、訴訟も辞さない考えを示したそうです。

独憲法裁「量的緩和は一部違憲」 欧州中銀に政策の再評価を指示(共同通信、5月5日)
https://newspicks.com/news/4878129