【秘話】型破り校長がコロナ下で果たした「オンライン改革」

2020/5/20
緊急事態宣言下の新学期という、前例のない事態に見舞われた学校現場。各学校の対応はまちまちで、自宅学習用のプリントを配布するにとどまる学校もあれば、オンライン授業の体制を整えつつある学校もある。
千代田区立麹町中学校で「宿題廃止・定期テスト廃止・固定担任制廃止」という改革を行い、「型破り校長」として有名になった工藤勇一氏は、この4月に、部活が活発なことで知られる横浜創英中学・高等学校の校長に就任した。
異常事態下の新天地に着任することになった工藤校長。「有事のリーダー」として、オンライン教育の方針をいち早く掲げたが、具体的にどのような改革を果たしたのか。そこから見えてきた教育現場の課題とは。当事者の「生の声」をお届けする。

コロナ対策が「初仕事」に

コロナ下での新学期スタートからおよそ2カ月が経過し、教育現場も徐々に落ち着きを取り戻してきました。緊急事態宣言下での新学期という前例のない事態に対し、現場では何が起きていたのか、私に見えたものを振り返りたいと思います。
まず、時系列で振り返ると、政府が全国の小中学校、高等学校、特別支援学校に臨時休校を要請したのが2月27日。それを受けて3月から県全域の学校が休校になりました。
4月7日には国が緊急事態宣言を発令し、休校期間が延長。以来、学校は一度も開かれていません。
私は昨年度末をもって、6年間にわたり校長を務めた麹町中学校に暇を告げ、4月1日から横浜創英中学・高等学校の校長に就任しました。図らずも、コロナ下での教育環境を整備することが、新しい職場での初仕事になったわけです。
横浜創英中学・高等学校(写真提供:工藤氏)