【石川×塩田元規】怒りの感情に気づくと、怒りは消えていく

2020/5/14
音声番組「フルライフ対談」。4月に新刊『フルライフ』(NewsPicksパブリッシング)を出版した予防医学研究者の石川善樹氏がホストを務め、充実した人生の送り方をゲストと語り合う番組だ。
前回に引き続き、ゲストはソーシャルゲーム企業「アカツキ」創業者の塩田元規氏。今年3月にアカツキCEOの退任を発表した塩田氏は、今後どのような活動で「フルライフ」な人生を創造するのか。今後の展望が語られた。
*音声はこちらからお聞きください

次にやりたいのは「大人の学校」

──前回は、塩田さんがアカツキCEOを退任するまでのプロセスを伺いました。これからの活動について、具体的に考えていることがあればお聞かせください。
塩田 まずは「株式会社ハートドリブン」を立ち上げ、そこでいろんなことをやってみたい。そのうちの一つとして、「大人の学校」を作りたいと考えています。
ビジネスの世界にいると、ビジネスの知識やハウツーばかりを深掘りしがちですが、人間が知らなければいけないことは、もっとたくさんあるはずです。
塩田 元規(しおた・げんき)/株式会社アカツキ 代表取締役CEO
国家とは何か、文化とは何か、そもそも人間とは何か……。そうした根源的なことを自分で考えられなければ、ますます決まった正解がなくなるこれからの時代は、外の環境に翻弄されてしまいます。
知識として文化や歴史を幅広く学ぶことに加え、自分たちの感情を分かち合い、互いに受け取れる場があるのも大切なことです。そのような、大人がもう一度自分に気づくためのコミュニティを作りたいと思っています。
石川 それはめちゃ面白い!
塩田 自分の感情に気づけると、何かアクションを起こすときに「恐れ」ではなく「愛」で意思決定できるようになります。自分の意思決定は怖さから来ているのか、それとも喜びから来ているのか自覚的になることで、他人を傷つけることもなくなるでしょう。
また、コロナウイルスの拡大で、今みんなが不安になっています。国レベルでもアメリカは中国を強く非難しているし、もしかしたら戦争が起こってしまうかもしれない。こうした状況を見て僕はシンプルに、「どうやったらみんなが仲良くできるか」を考えています。