【分析】なぜAIは「コロナ対策」で活躍できていないのか
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矢野さんはプロピッカーでもいらっしゃり、たまたまですが半導体→AIという同じ道を歩まれた尊敬する先輩でもいらっしゃいます。その道のプロなので、全てをご存知の上で紙面の都合上その一面を切り取った議論をされている、と捉える必要があります。
これまで何度も、かついろいろな人から指摘があるようにAIが得意なのは内挿。外挿は不得意です。わからない不確実な予想をするのには向いていません。私もこのご時世なので「コロナの時代に打てる手をAIでどうにかなりませんか」とご相談をうけますが「全く未経験の世の中なのでまず無理です」とご返答しています。例えて言うなら、ピカソ風の絵を描かせるのはできるけど、全く新しいスタイルかつ感動的な絵画を描くのはAIは不得意なのです。
一方、例えばコロナ対策の製薬の分野などでは「内挿」がうまく働くので、AIフル稼働していると聞いています。新型コロナウイルスの流行は、あまりに社会環境を激変させたために、「ビフォーコロナ」の世界で何が話題になっていたか、時折忘れがちになります。
そのうちの一つが「AI」です。確かにAIに関するニュースを目にすることが、コロナ流行後には減ったように感じます。
実際、日立製作所の矢野和男フェローは「AI・データは、コロナ禍においてはあまり役立っていない」とはっきり述べています。現時点では、感染者数の予測や沈静化にあまり貢献しているようには見えません。AIの専門家によるこの言葉は、深く認識しておく必要があるでしょう。
ただそれをもって「AIは役に立たない」と断じるのは早計です。むしろ矢野氏は、コロナ対策にAIやデータを活用するために、「ある考え方」を知る必要があると言います。それは一体何か。データリテラシーを高めるためにも、一読の価値のある論考です。コロナの時代になったことを踏まえて、AIやデータの役割に関して、日頃考えていることをインタビューでお答えしました。
毎日感染者のグラフのような形で、withコロナ時代に、普通の人も目にすることは増えています。今後、政治や行政の判断、ビジネスの企業判断などに、データの活用が期待されます。
しかし、まだ、集計してグラフにして見る、あるいは、変化の傾向をグラフをフィティングして見るぐらいの使い方が今でも多く、AI技術の活用は限定的です。この本質をお答えしました。
今後、データの活用に関してはやるべきことが沢山あると考えます。ご笑覧ください。