【冨山和彦】歴史に学ぶ「コロナショック・サバイバル」

2020/5/9
企業はコロナショックの危機をどう生き抜けばいいのか。危機の歴史から何が学べるのか。経営共創基盤・冨山和彦氏の新著『コロナショック・サバイバル』の一部を紹介する。

歴史は想像力の基盤

新型コロナウイルスの本格的な収束の目処が見えない現在の状況で、不確実な未来の当てっこをしてもしょうがない。
ここまで書いてきたことも、基本は過去の経済危機や大きなリスクイベントが起きた歴史から学ぶと、かくかくしかじかの可能性が高いというだけの話ではある。
しかし、ドイツの鉄血宰相、ビスマルクのごとく「歴史から学ぶ賢者」に少しでも近付こうとするならば、今、過去の危機の歴史から学ぶことは、極めて重要である。
冨山和彦(とやま・かずひこ)/経営共創基盤CEO。1960年生まれ。東大法学部卒、司法試験合格。スタンフォード大学経営学修士(MBA)。ボストン コンサルティング グループ入社後、コーポレイトディレクション設立に参画。2003年産業再生機構に参画しCOO。その後、経営共創基盤設立。パナソニック社外取締役、東京電力ホールディングス社外取締役。
危機の経営においてはこれから起きうることに対する想像力、対応策の効果に対する想像力が極めて重要になる。なぜなら危機は新しい形で想定外のところから突然やってくるから。