DJIの最新産業用ドローン「Matrice 300」は飛行時間55分、最大伝送距離15km
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これは素晴らしい!産業機の新たなスタンダードが発表されました。15kmもの距離までドローンを遠隔で操作でき、各種センサで大型の障害物を見分け、バッテリーは55分と長時間運用が可能です。
橋梁・鉄塔・法面を主にした点検屋として、注目点は2点でした。
まずニーズの高い点検画像を、前回撮影箇所にて次回以降も撮影できるAI機能。これにより経過年で変状を比較したいというニーズに対応できるようになり、点検品質の向上に活躍できそうですね。つぎに遠方撮影から全景を移し、分割された細かい写真は自動でズーム撮影する機能。これは極端にいえば、4方向から撮影すれば次の被写体に移動できるといった運用が可能なため、相当業務が効率化されるものと思います。
日本の点検では、低い桁下を入り込んだり、鈑桁フランジ上部などを確認するなどの用途で、狭小部・狭隘部へのニーズが大きくなっています。また草木の生育が元気な日本の点検環境では、細かい障害物が多くなっています。ですから次に向けた期待のポイントとしては、
・機体の小型化
・車でも一般的になりつつあるレーザーやSLAMなどの微小な障害物を把握できるような仕掛け
・自動撮影を一歩勧めたオートノーマスフライト
あたりを待ち望んでおります!
しかし、とにかく素晴らしい。世界中の他のドローンメーカを圧倒し、周回遅れにさせるくらいインパクトのあるドローンが発表されましたね。バッテリーに何を使っているのかは記事からは分かりませんが、恐らく重量あたりのエネルギー密度の高いもので、リチウム硫黄(LiS)電池あたりか。
LiSはサイクル寿命が短いので頻繁に交換する必要が有りますが、今回はホットスワップ出来るようにデュアル・バッテリー構造にしたんですね。
なお「長寿命バッテリー」というと何度も充放電が出来ることを一般的には言いますが(サイクル寿命。別途カレンダー寿命という指標も有り)、ここでは後続時間を長くする高容量バッテリーの意味で使ってます。この機能で飛行時間55分は驚異的。
DJIは、確実に進歩を続けていることが明確に見える機体。
国産ドローンは、ニッチな現場のニーズに答えることで生き延びるしかないかもしれない。