IATA、中間席ブロック義務化は反対 機内でマスク着用推奨
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自社記事かつ自分で書いた記事ですみません。機内での新型コロナウイルス感染を危惧されている方もいらっしゃると思うので取り上げます。
IATAとしてはマスクを乗客と乗務員(パイロットとCA)が着用すれば機内での感染防止に役立つが、中間席ブロックは義務化しても感染防止には役立たないということを、感染者が搭乗した事例などを挙げて説明しています。各国の当局に義務化されてしまうと中間席を販売できない分、収益性が前年比で50%前後悪化し、倒産につながりかねないからです。
国内では、搭乗率が大幅に低下していることもあり、JALやスカイマークは中間の席を当面販売しない施策をとっています。航空会社などが加盟するIATAは、これを義務化することには反対だという立場を示しました。
そうは言っても、ガラガラなのに隣に座られたら気分はよくないでしょうから、航空会社の収益性に悪影響を及ぼさない範囲であれば、こうした対応は乗客の安心につながると思いますし、各社が自由意思でやることにIATAがとやかく言っているのではありません。航空会社としても、まずは利用者に安心してもらえる環境作りが不可欠です。
IATAも業界団体なので都合のよいことしか触れていない可能性はゼロではありません。しかし、機内での感染事例は乗客から客室乗務員のみで乗客同士の感染例がないことなど、1-3月に起きたことに目を向けて議論を深めることは大事だと思います。客室乗務員が乗客から感染したケースも、乗客がマスクをしていれば防げた可能性があります。
ちなみにリリース原文では乗客には「フェイスカバー」、乗務員には「マスク」の着用を求めるとあったので、両者の違いをIATAに確認してみました。フェイスカバーは口の周辺を覆う布であればマスク以外もOK、乗務員は医療用マスクを推奨とのことでした。中間席ブロックについては、どちらかといえば乗客側の要望からスタートしたような印象を受けています。すでに3月上旬ごろから、隣の客が咳をしている、であるとか、こんなに空いているのだから、という理由でもっと空いているところに席を変えてくれという要望が出始めていました。
個々に対応するのも大変だし、一斉にアナウンスしてとりあえず安心感を出そう、というのが今の航空会社の方針ではないかと思います。
まだこのウイルスの全貌が明らかになっていない中で、中間席ブロックが果たして有効なのかそうでないのか、あるいはもっと間隔をあけなければ本質的なリスクは回避できないのか、航空会社としてはいろいろなことを考えておくべきかなと思います。
個人的には、ですが必要な対策はおそらく検温、消毒、マスクくらいで、座席の間隔を広げたりせずに済むのではないかと期待はしています。