プレミアム会員限定の記事です
今すぐ無料トライアルで続きを読もう。
オリジナル記事 7,500本以上が読み放題
オリジナル動画 350本以上が見放題
The Wall Street Journal 日本版が読み放題
JobPicks すべての職業経験談が読み放題
コメント
注目のコメント
ちょっと違う視点ですが、資本主義のルールの中でTOBをかけるのもプロキシーファイトをするのもある意味批判をされる活動ではありません。ただ、ちょっと気になるのはなぜ100%の株式保有をしないのかという点。結果としての親子上場にもなってしまいますね。コロワイドさんはカッパ寿司さんにも同様の手法で実質支配をしています。株主優待はグループですれば済む話ですから理由にはならない。やるならやるで、100%取りに行くというのが正道のような気がします。
財務と事業の両面から考えてみたい。
【財務】
コロワイドと大戸屋の順で、以下(2019年3月期実績の丸め数値)のようになっている。PLでは大戸屋が1/10ほどだが、BSだとコロワイドはこれまでの買収含めてのれんが多く、またレバレッジも効いている。
足元のコロナの状況でのれんの減損リスクは気になるが、常時であれば自社店舗に投資をする代わりに買っててこ入れ投資をするという位置づけに見える。
売上:2500億円、250億円
粗利:1400億円、140億円
EBITDA:150億円、12億円
営業利益:50億円、4億円
総資産:2200億円(うちのれん約750億円)、100億円
有利子負債:1400億円、15億円
株主資本:350億円、45億円
営業CF:160億円、12億円
投資CF:70億円、8億円
時価総額:1100億円、約150億円
【事業】
記事にある通り、ポートフォリオでカニバらないのとブランドがポイント。メニューの発想などの言及もあるが、多分それより今まで時間をかけて消費者の認知を取ってきた時間を買う。
一方でセントラルキッチンは、大戸屋のポリシーと反する。主観も入るが、セントラルキッチン方式のやよい軒より大戸屋の方が美味しいと感じる。ただセントラルキッチンだとダメというわけでもなく、サイゼリヤはやはり美味しい。
レストランは、個店の経営とチェーン経営は違う。個店は特徴をウリにできるが、チェーンの場合はセントラルキッチンや調達力、好みが変化する中でのブランドマネジメントが重要。その意味で、良くも悪くも①のコロワイドの大戸屋に対する提案は、その王道を行くロジカルさではある。ただそのときに、他のチェーンがやる定食との差別化を維持できるかがポイントで、店内調理はその最たる点だった。真似しにくいことが障壁になるのは②のHUBや③の丸亀製麺でも同じ。ただアイデンティティともなっていると変えにくく、逆回転したときにそれが足を引っ張るのもリアル。
①https://ssl4.eir-parts.net/doc/7616/tdnet/1816321/00.pdf
②https://newspicks.com/news/4602473
③https://newspicks.com/news/4710860NewsPicksは、大戸屋サイドにも取材を申し込んでいます。ぜひコロワイドに対する反論を聞いてみたいです。
それにしても、多くの大企業トップがコンプライアンス云々で強い発言を控えるようひなった今、コロワイドがここまで踏み込むとは思いませんでした。
「仮に、今回の株主提案で負けたとしても、我々はまたやります。株主提案なりTOB(株式公開買い付け)なり、何度でも。
我々はその中で1勝すればいいわけですが、彼らは全勝しなきゃいけないんです。そのうち一つも取りこぼさないでいけるかと言ったら不可能だと思いますよ」
どれだけ綺麗事を並べても結局ビジネスは勝つか負けるかなので、こうした発言にはスッキリします。