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通常はラグがあるおかげである程度の海外データが揃ってから新薬を処方しています。これほどデータがない薬剤を治験以外で使用する経験は乏しいのが現実です。
保険適応が承認されていても、院内の倫理委員会など通すのか、各医療機関の対応も気になります。
現時点では10日間も使用する必要はなく使うとしても5日で十分だろうということがわかっている。
死亡率を改善するかどうかはわからないが、症状の改善を早めることが期待される。
副作用については報告されていることしかわからないものの、肝機能障害などで中止せざるをえない人も5%程度はいそう。
、、、といったところでしょうか。
例えば記憶にある方も多いと思いますが、インフルエンザの新薬ゾフルーザは当初から変異株に対して無効であることが非常に多いとされていたにも関わらず、驚くほどの処方になってしまっていました。
今回はおそらく中等症以上の方が対象になるため、指定病院などで使われるでしょうから、最新の情報を確認しながら使用されると思いますが、十分な説明や同意がないまま使用されるといったことがないことを願います。(治験と同程度の説明・同意、そしてその記録が必要なのではないかと思います。)
忽那先生のレムデシビルの記事
https://news.yahoo.co.jp/byline/kutsunasatoshi/20200502-00176470/
呼吸器内科医の先生がSIMPLE試験についてもブログで紹介
https://pulmonary.exblog.jp/amp/28962688/
一方、レムデシビルについては、中間報告ではありますが、少なくとも症状改善のデータが公表されており、世界で唯一「有効な可能性を強く示唆する」「エビデンスのかろうじてある」薬剤となりました。
このように、科学的に切り取っても、現状ではレムデシビルに依存するしかない状況です。
アビガンについても、評価に値するような臨床試験結果が公表されれば同様に広く利用できると思いますが、残念ながらそれを全くと言っていいほど得られていないことは理解しておく必要があります。これは他の薬剤についても同様です。
このあたりの各薬剤の実際の位置づけについては、国内での報道が与える雰囲気とは少し異なるところかもしれません。