[ベイルート 30日 ロイター] - レバノンのディアブ首相は30日、閣議で承認された経済改革プログラムについて、国際通貨基金(IMF)の支援を求めるための交渉に使うとの考えを示した。

首相は「IMFの支援を確保できれば、厳しい経済状況を乗り切ることが可能になる。この状況は3年から5年続く可能性がある」と述べた。さらに、どの程度の支援が受けられるかは交渉次第だと説明した。

レバノンでは、数十年におよぶ放漫財政や汚職問題などから経済は混乱しており、昨年10月から発生している大規模反政府デモにより社会情勢も不安定になっている。

巨額の債務を抱え、3月には同国として初めてデフォルト(債務不履行)に陥った。政府は外貨準備がほぼ底を突いたとしている。

通貨の価値は半分以上下落し、10月から銀行から預金を引き出せない状態が続いている。消費者物価も50%も上昇している。

レバノンが支援を確保できるのは唯一IMFだけとみられている。これまでレバノンを支えてきた各国の政府は、同国が経済改革を進めない限り支援を行わない考えを示している。