[ワシントン 29日 ロイター] - 米石油大手のシェブロン<CVX.N>やエクソン・モービル<XOM.N>、アロンUSA<ALJON.UL>を含む9社は、国家石油備蓄の貯蔵施設のうち2300万バレル分を借りることで合意した。米政府関係者が29日、明らかにした。

トランプ米政権は原油価格の暴落を受け、国内の石油業界を支援する意向を示している。

エネルギー省は今月2日に、戦略石油備蓄(SPR)貯蔵施設の余力分のうち3000万バレル相当を石油会社に提供する計画を公表。その後、実際に交渉の対象となっているのは2300万バレル分と明らかにしていた。

トランプ大統領は3月にブルイエット・エネルギー長官に対し、約7700万バレルの余力があるSPR貯蔵施設を「最大限まで」満たすよう指示していた。当初は約3000万バレルを追加購入する計画だったが、米議会が予算を承認したかったため、頓挫していた。

貯蔵施設のリース契約の詳細についてエネルギー省に説明を求めたが、これまでのところ回答はない。

前出の3社以外にリース契約を結んだのはアトランティック・トレーディング、エナジー・トランスファー、エクイノール・マーケティング&トレーディング、マーキュリア・エナジー・アメリカ、MVPホールディングス、ビトル。政府関係者が匿名を条件に明らかにした。

エネルギー省のこれまでの説明によると、貯蔵施設を間借りする企業は2021年3月まで利用を認められており、見返りとして少量の石油を政府側に引き渡す。貯蔵施設への搬入は概ね、5─6月に行われる予定。

SPRのウェブサイトによると、現在の備蓄量は6億3610万バレル。