[29日 ロイター] - 米石油・ガス生産大手チェサピーク・エナジー<CHK.N>は、破産法の適用申請に向けた準備を進めている。複数の関係筋が29日に明らかにした。関係筋によると、破産法の適用申請手続き中に事業を継続できるよう、債権者とつなぎ融資の交渉を行っている。

つなぎ融資の規模は10億ドル程度だが、協議は初期段階で、変更する可能性もある。債務の処理方法もまだ最終決定はしておらず、破産手続きの枠外で債権者に債務再編に応じるよう交渉を試みる可能性もあるという。

チェサピークはコメントに応じていない。

同社は、ガス生産事業から石油生産事業に軸足を移す計画だったが、今年に入りサウジアラビアとロシアの間で価格戦争が起き、この計画は中断された。さらに、新型コロナウイルス感染拡大で需要が落ち込み、経営が圧迫されている。

当局への提出資料によると、債務規模は90億ドル近く。今年の返済額は金利を含め10億ドルを上回る。

関係者の1人によると、同社は8月に期限がくる債務1億9200万ドルの返済延期を検討している。7月1日には1億3600万ドルの債務が返済期限を迎える。

新株発行による資金調達も検討しており、破産法適用申請後になる可能性が高い。現時点で、政府の新型コロナの企業支援措置を使うことは考えていないという。

同社はペンシルベニア、テキサス、ルイジアナなど、全米5州に事業所がある。昨年末時点の従業員は約2300人となっている。