[ワシントン 29日 ロイター] - 全米リアルター協会(NAR)が29日に発表した3月の中古住宅販売仮契約指数は、前月比20.8%低下の88.2となった。新型コロナウイルスの感染拡大によって住宅購入を検討していた消費者が遠のいた。市場は10.0%の低下を予想していた。

2月の指数は当初発表の111.5から111.4に下方改定された。

指数は全4地域で低下した。中古住宅販売仮契約は1─2カ月後に販売取引が成立するため、通常は住宅市場の健全性を測る先行指標と捉えられている。

NARの首席エコノミスト、ローレンス・ユン氏は住宅市場が「一時的に、新型ウイルスによる封鎖措置の影響を受けている」と述べた。「消費者がソーシャル・ディスタンシング(社会的距離の確保)に慣れるにつれ、そして経済が徐々に安全な形で再開するにつれ、住宅販売や購入が再び活性化する。住宅ローン金利が過去最低水準にあることを踏まえるとなおさらだ」と話した。

3月の米中古住宅販売戸数は年率換算で前月比8.5%減と、約4年半ぶりの大幅なマイナスだった。新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるための異例の措置を受け、消費者が住宅購入を停止したことが背景。

中古住宅販売仮契約指数は前年同期比で16.3%低下した。