【解説Q&A】世界が血眼になる「RNAワクチン」を学ぼう

2020/4/30
新型コロナのワクチン開発の有望株として、1.7兆円まで時価総額が膨らんでいるバイオベンチャーのモデルナ。
これまで承認された治療薬は「ゼロ」にもかかわらず、未来の創薬プラットフォームを掲げる同社には、高い期待がかけられている。
その中心にあるのが、人間の体を「クスリの製造工場」にしてしまう、mRNA(メッセンジャーリボ核酸)という物質だ。
NewsPicks編集部は、同分野について最先端の研究者である、東京医科歯科大学の位高啓史教授にインタビュー。このテクノロジーの背景にあるものを、Q&A形式で解説してもらった。

実用化の直前に「新型コロナ」

──mRNAやDNAを使ったワクチンは、伝統的なワクチンと何が違うのでしょうか。
ひとことで説明すると、従来のワクチンとは「抗原提示」の方法がまったく違います。