「子どもたち」の未来を作ろう。大金持ちでなくてもできる世界貢献

2020/5/10
学校を設立するなんて、大金持ちのすること。それが世の中の常識だろう。
たしかに、日本で私立の学校を設立するには、校庭となる土地の取得代金を含めれば数十億円の投資が要る。福沢諭吉の慶応大学や大隈重信の早稲田大学の例を挙げるまでもなく、街中の幼稚園のような学校法人でも、ひとつの校舎を建て替えるだけで数億円はかかるはずだ。
でも、国を選べば、数百万円で学校の創立者(ファウンダー)になれる。
アジアで最も後発で立ち上がってくる国、ラオスでは、日本人のお金で設立された義務教育学校が100以上あり、その全てが公立の学校になるので、すぐさま国の基準で養成された教員が赴任し学業がスタートする。藤原がお金を出したとしても、それは私立藤原学園ではなく、和田中学校や一条高校のように、地名を冠した公立の小学校、中学校、高校になるからだ。
数百万円であれば、高級車を買うのと同じ額だから、数人で寄付をして学校の創立者(ファウンダー)となる栄誉に浴そうという人はいる。必ずしもお金持ちの必要はない。500円ずつの寄付を子どもたちから集めて校舎を寄贈した団体もあるし、震災前の飯舘村も寄贈する側だった。
もちろん、開校式に参列すれば、二宮金次郎のような銅像こそ立ってはいないが、あなたの名が銘板に刻まれ、感謝、感謝の宗教的な儀礼がある。学校は本来、そのコミュニティにとって「希望」の象徴だからだ。
子どもや先生をそこに連れて行けば、日本も150年前、溢れるような知識欲で輝く目をした子どもたちがいたことを実感するだろう。こうした民間外交が豊かになることで、日本の安全保障問題にも貢献すると信じている。
今回は、そうした、ラオスにおける学校建設の物語だ。