仕事と遊びが一体になれば、“失敗”も怖くなくなる

2020/5/9
1台300万円。奈良で生まれた「型破り」のかき氷マシン
雑談で得た、閃きの火種
新しいかき氷マシンを開発するアイデアは、ある飲み会から生まれた。
私が一条高校の校長に就任した後、奈良市で創業140年を超える印刷会社、明新社の社長で、奈良市観光協会の会長でもある乾昌弘さんと食事をすることになった時に、ふと上田さんも呼んだら面白そうだなと思って声をかけた。ふたりはなんのつながりもないのだが、だからこそ、どんな化学反応が起こるかな、という興味があったのだ。
すると、この日、初めて顔を合わせたふたりが同年同月に生まれたことがわかる。結果的に、奇跡のような出会いになり、自然とその場が盛り上がった。
その時に、上田さんがスチュアートの話で「イタリアのデザインで日本の商品を変えたい」としきりに言うから、「奈良でなにかやったの?」と聞いたら、まだだという。
それで、言っているだけじゃ話にならない、ひとつでいいから奈良発のものにイタリアのデザインを掛け算して何かをつくり出すべきだと私が指摘する。私の腕時計「japan」開発の話もして、個人がメーカーになれる時代なんだと。『MAKERS 21世紀の産業革命が始まる』(クリス・アンダーソン著、NHK出版)に心酔しているなら、3Dプリンターで造形してもいいじゃないか、とも。
話の流れの中で、乾さんが「奈良には氷の神様を祀る氷室神社があって、全国の氷屋さんの聖地になっている」と語る場面があった。毎年、全国の人気かき氷店が集まる「ひむろしらゆき祭」が開催されていて、2日間で8000人もの人が来るという。氷室神社の名前は聞いたことがあったけれど、詳しい史実や氷屋さんの聖地になっているとは知らなかった。