[東京 27日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>が5月の国内生産について、3月に策定した前回計画から約7割減とし、6月は43%減らす計画であることが27日、分かった。関係筋が明らかにした。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う新車需要の低迷が続くとみて国内での生産を減らす。

新型コロナの感染拡大で世界各国が外出禁止などの感染防止措置を取っており、新車需要が急減。一部の部品調達も不安定になっている。このため、自動車メーカー各社は世界中の工場で一時操業を停止。日本の自動車大手も軒並み国内工場の一時操業停止を余儀なくされている。コロナの影響次第では、さらに減産規模が拡大する可能性もある。

車種では、前回計画からスポーツ用多目的車(SUV)「エクストレイル」や「ローグ・スポーツ」などの生産を減らす計画。日産は4月に続き、5月の大型連休後も栃木県などにある国内工場で操業を一時停止する予定だ。前年同月と比べると、5月の生産規模は8割近く、6月は約半分が減ることになる。

日産はものづくりの競争力を確保するためにカルロス・ゴーン前会長時代から年間の国内生産規模「100万台」維持を掲げてきた。2017年には約101万台と一時100万台を回復したものの、18年は約93万台、19年は約80万台と100万台割れが続いている。

日産傘下の三菱自動車<7211.T>の国内生産も5月、6月ともに前回計画から3割ほど減らすことを決めた。SUV「アウトランダー」などを減産する。ただ、三菱自が生産を担当している日産の軽自動車「デイズ」と「ルークス」については前回計画から増やす計画としている。

関係筋によれば、トヨタ自動車<7203.T>も5月の国内生産を3月に策定した前回計画から約5割減、6月には4割ほど減らす計画に修正。5月以降に国内全ての完成車工場で順次、生産調整することを決めている。同社も生産技術や雇用を維持するため年間の国内生産規模「300万台」を守り続けている。20年の国内生産は約324万台を計画するが、コロナ影響が長引けば一時的に300万台を下回る可能性がある。

*内容を追加しました。

(白木真紀)