[ニューヨーク/シカゴ 26日 ロイター] - 米国では今週、新たに複数の州が経済再開に向け、新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための制限措置を緩和する見通しだ。

公衆衛生専門家らは人との接触が増えれば、感染例が再び急増する可能性があると警告している。

コロラド、ミシシッピ、ミネソタ、モンタナ、テネシー各州は、新たな感染急増を防ぐために必要と専門家が指摘する検査・接触追跡体制なしに、試験的な経済再開を開始する。

ジョージア、オクラホマ、アラスカ、サウスカロライナ州は1カ月のロックダウン(都市封鎖)後、すでに経済再開に向けた措置を講じている。

厳しい制限措置により、3月半ば以降、失業保険を申請した米国民は過去最多の2650万人に上っている。

ホワイトハウスの経済顧問、ケビン・ハセット氏は26日、4月の米失業率は16%かそれ以上を記録するとの見通しを示した。

記者団に対し「今後数カ月はこれまでにないほどの厳しい状況になるだろう」と語った。

米国の新型コロナ感染者数は26日、96万人を突破した。死者は累計5万4700人超。

感染者数の多いニューヨーク州などは制限措置を5月半ばまで延長している。同州は26日、新たに367人の死者を報告した。3月30日以来の低水準だった。同州のクオモ知事(民主党)は、新規感染者の減少が続けば、5月15日以後は一定の注意を払いながら北部でまず建設・製造業の再開を認める方針だ。

一方、知事が主に共和党系の州はより積極的なアプローチを取っている。

テネシー州は27日にレストランの営業再開を認める方針を表明。ミシシッピ州の外出禁止令は同日に期限を迎える。

26日に新たに3人の感染を報告したモンタナ州は、社会的距離を確保する措置を取れば27日に事業の再開を認める。ミネソタ州も、一部事業の再開を27日に認める方針で、工業、製造業、事務職の8万─10万人が職場に復帰できる見通しだ。

コロラド州のポリス知事(民主党)は、27日から小売商品のドライブスルー形式の受け取り(カーブサイド・ピックアップ)を認める。

*内容を追加しました。