日本に伝わっていないテスラの圧倒的な「ユーザー視点からみた価値」:「価値」の土俵をここまで変えている、さまざまな業界ディスラプションの予兆を見逃すな!
コメント
注目のコメント
その通りだと思ってます。
クルマという製品のあり方を根本から変えるイノベーションという意味で右に出るものは無い。
それは間違いないでしょう。
それが実現できたのはいくつかの要素がありますよね。
1つは良くも悪くも自動車開発にアジャイルライクな方法を用いていること。最初の段階で要件定義から仕様詳細まで検討した上で開発スタートの一般的なウォーターフォールではなく、粗々の要件のみで開発スタートさせて詳細仕様は随時決めていくアジャイルライクな方式。
アジャイルではなくアジャイルライクと敢えて書いたのは、もはやアジャイル開発のメソッドにすら従ってない様に見えるから。
多くの人が誤解してますが、ウォーターフォールもアジャイルも、要件が同じなら最終的なアウトプットは同じ。途中のプロセスが異なるだけ。ただ、開発対象によって得手不得手がある。
比較的仕様変更に対応しやすい製品はアジャイルの方が効率いいかも知れないし、仕様変更しにくい製品はウォーターフォールがいい。
で、自動車はウォーターフォール以外に選択肢って無いんですよ。まぁトータルで見たら細かいウォーターフォールの組合せで、それぞれ変更はあったりしますが。
何せサプライチェーンと生産要件も考えないとですから。簡単に予定変更できない。
テスラはここにメスを入れてる感じなんですよね。
最初に大ボラの要件を吹いておいて、開発はそこに向かってベストエフォートなら何しても良い、みたいな。
コロコロ予定変わるから、サプライチェーンは最小限にしなきゃだし、なんならテスラ自社ですべてやりたいくらい。
既にテスラは世界一の垂直統合型自動車メーカーですが、それはこの開発プロセスならマストなんですよね。
で、こんなのは自動車メーカーとして奇跡としか言いようがないんですが、そこはイーロンのホラ吹きと資金調達によって実現したわけで、スゴい事なんですよね。絶対他の会社はマネできない。
結果として開発スピードは異常に速く効率がいい。
もちろん弊害はあるでしょう。
詳細要件はスクラムマスターおよびその上司が即断即決で進めていく訳ですから、それが正しいかどうかは未知数。恐らく自動車開発経験者を配置してチェックしてるんでしょうけど。
テスラは意外にコンベンショナルな部品も使ってるので、その辺りを締めてる方もいるんだろうなぁと。
あ、千文字だ。消費者の観点からすると、
①生涯ガソリンスタンドに行かなくても良い
②修理やメンテが殆どない
③アプリのアップデートで性能向上
④ソーラと蓄電で無料で走る
3ヵ月に1回、iPhoneのオイル交換しないのと同じで、そういう手間をなぜしないといけないのかという素朴もあったと思います。
自動車保険もテスラで買えますし、ディーラーで面倒な値段交渉する必要もなく、オンラインで簡単にオーダー出来るわけです。第一ディーラーという存在さえない。
しかも、なぜ人が運転しないといけないのかという疑問から、自動運転への移行です。居眠り運転、脇見運転の事故も避ける事が出来ます。人が運転するより、間違いなく安全になります。
マスクの凄いところは、技術に関する絶対的な自信だと思います。自動車運転の技術もGoogleも含めて他社はLidarを使って開発している時から、カメラセンサーとAIで独自に開発を進めてきたわけですが、Lidar組みはZOOXなんかも含めて全然商品化できないわけです。そういうところを、もうとっくの昔に見通していて、Lidarはダメだというコメントを、何年か前にしてました。
自動車運転の技術だけでなく、バッテリーの技術も商品化という意味では他社は全然追いついていない。そして、スーパーチャージャー。他のメーカーは充電インフラをどうするのか、そのビジネスモデルさえないわけです。モデルSが登場してから10年近くは経っているのにもです。櫛田さんはこの話を講演でもしていたな。
当時の講演メモを貼っておく
https://kikidiary.hatenablog.com/entry/2020/02/17/145013