[東京 24日 ロイター] - 総務省が24日発表した3月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く、コアCPI)は前年同月比0.4%上昇した。39カ月連続のプラスとなったが、2月の同0.6%上昇から伸びは鈍化。新型コロナウイルスの感染拡大による需要減で原油安が続いており、ガソリンや灯油の価格の上昇幅が縮小したことが伸び鈍化につながった。

エネルギー全体では前年同月比1.7%下落、2019年11月(同2.1%下落)以来の減少幅だった。

足元では、原油先物5月限が初のマイナス圏に下落するなど、原油価格は低迷。エコノミストからは、原油安が続いた場合、4月ごろに全国コアCPIは前年比でマイナスになる可能性も指摘されている。

<新型コロナでガソリン・宿泊料・国産牛肉価格が下落>

原油安を受けガソリン価格は3月は同0.4%上昇と、前月の同4.8%上昇から大きく伸び率が縮小した。総務省幹部はガソリン価格について「4月にどのような結果が出るか、引き続き注視したい」としている。

宿泊料(同1.4%)や国産牛肉価格(同0.01%)も引き続き下落。インバウンド需要や外出自粛要請などによる外食需要の減少が影響している。

<原油安でCPIマイナスの可能性も、コロナで価格は二極化>

大和総研・小林俊介シニアエコノミストは「3月のCPIには原油安の影響がガソリン価格に出始めた」と指摘。光熱・水道代は数カ月前のエネルギー価格が反映されるため、今年の年末ころに発表される料金に注目したいとし、コアCPIをみる上では「引き続き、原油価格の推移に注意が必要」とみている。

日銀は物価目標を2%としているが、コアCPIの2019年度平均は前年度比0.6%上昇で、前年度の同0.8%上昇から縮小した。

小林氏は、マクロの需給バランスの悪化に加え、「再び原油価格が急落したり1バレル=10ドル台で推移したりすれば、早くて4月には全国コアCPIがマイナスになるのではないか」と予想している。

また、需要増でマスク価格が上昇する一方、イベント自粛で切り花は上昇幅が縮小したりするなど、日用品の物価にもコロナの影響も出始めた。

小林氏は「今後も、一部の商品価格が上昇、下落するなど変化がみれらるだろう」と、商品・サービスによっては物価が二極化する可能性を指摘した。

*内容を追加しました。

(浜田寛子 編集:田中志保)