デフ入門。クルマはなぜすんなりと曲がれるのか。モーターファン・イラストレーテッド163号第1特集
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デフですね。
この構造はラジコンカーのデフも同じ。
私はホビーラジコン世代なので、デフの効果や構造は直感的にわかりますが、そうじゃないとピンと来ないんですよね。
デフの中身はベベルギヤで組み合わさっているので、人によっては「これじゃ逆に左右輪で回転差が出ちゃって真っ直ぐ走らないのでは?」と言う疑問が出るのが自然な気がします。
実際にはデフ内部の引きずり抵抗が必ず存在するので、左右輪の路面との摩擦力によほどの差がない限り左右輪は同じ回転数同じトルクで回ります。
問題なのは左右輪の路面との摩擦力が変わった場合。
当然ながら摩擦力が弱いと車輪が路面との食いつきを失い、そちらの方に動力が逃げて車輪が空転します。
片側だけ水溜りや雪を踏んだ時。
旋回中でも遠心力で外側車輪に荷重が移り、内側は浮くのでやっぱツライ。
それを食い止めるのがLSD(リミテッドスリップデフ)ってやつ。
単純なのはリアルオフロード車や4WD軽トラなんかに付いてる手動デフロック。荒地用。
でもそれは面倒だしホントにヤバい時だけ上手いこと動いて欲しいので自動LSDがある。
ガチのスポーツカーやレーシングカーでは回転差感応機械式LSDを採用。強力だけどコレだと回転差で働くのでトロトロ走交差点曲がっても働いちゃうんで嫌な感じ。
なもんで一般の市販のハイパワーカーは緩い奴かトルク感応式。
緩いのは油と円板入れて、油の剪断応力で引き締めちゃうやつ。ビスカスLSD。油の粘性で制限かける。
トルク感応式はトルセンLSDで、簡単に言えば普段中のギヤは通常のデフの様にフリーで動けるけど、ガッツリ回ってる時は遠心力などを利用してそいつらを外側に移動してデフケースに当てちゃう。すると内部のギヤ(の様な物)とデフケースとの摩擦力に応じてデフの動きに制限(ロック)がかかる。
最近は電子制御LSDも出てきたので、より制御しやすい。
更に言えば、ABSが進化して四輪を別々にブレーキ制御できるようになったので、空転しそうな車輪はブレーキで止めてもいい。コレがブレーキ利用の擬似的LSD。今はコレの採用が多い。RAV4とかフォレスターとかジムニーのオフロードモードはコレで制御してる。
ただ、スポーツカー的には加速中にブレーキ制御されるのは何やってんだかわからない状況なので、ちゃんとLSDが欲しい。
長文失礼小さい頃図鑑でこんなexploded view 見て感動を受けましたねぇ、コレを発明したヒトはスゴイって 実物を見たのは、もう少し大きくなって、お金持ちの子が持ってたラジコンカー見せてもらった時ですが (トシバレル)