人権について、ジジェクは「〈十戒〉を破る〈権利〉」「〈十戒〉から生み出された「内在的な逸脱」」と喝破している。道徳や規範が社会通念から生み出されるのは不都合な真実であり、残念ながらそこに普遍を見出すことはできない。 様々な価値観が否応なく変化を迫られる中で、倫理のあり方も問われているのかもしれない。私的空間における消極的自由をなくし公的空間における積極的自由に走る社会はすなわち全体主義だ。他方で、積極的自由がなく消極的自由しかない社会は目的を見失う。 両者を満足しないと真に〈自由〉な社会は成立しないが、果たしてこの〈自由〉なるものを我々は追求できるのだろうか。
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