「ポイントばら撒きブーム」に乗らない決済スタートアップの戦略
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決済事業の事業構造は八巻さんが仰る通り、今のようにインセンティブをばら撒いている限り、決済事業単体として収益化できる日は来ません。
カンムさんの場合、インセンティブでユーザを集めるのではなく、与信力が低いユーザに対して少額の与信を出す事で、後払いニーズや短期の個人消費ローンのニーズを取り込んでいるのだと思われます。
そういう意味では、本来、クレジットカードは決済収益だけでなくリボを含む分割払い手数料やキャッシングの利息で稼ぐビジネスモデルですから、カンムさんはなんとかPayの後追いをするのではなく、本来のクレジットのビジネスモデルを志向されているのかなと思います。昨年Revolutの売上の内訳が報道されていましたが、未だに大きな部分を占めるのがインターチェンジフィーでした。欧州でRevolutのようなプリペイドに分類されるカードのインターチェンジフィーは0.2%とかですのでポイント還元もほぼありません。
では何故流行るのかというと、既存の銀行のデビットカードがそれだけ不便だったからです。口座開設が面倒で時間がかかるとか、スマホのアプリの出来がタコだったりとか、他通貨での決済時の為替手数料が高いとか(ユーロ~ポンドなど、国内旅行感覚で気軽に国境を越える欧州では結構重要です)、他行ATM使用時の手数料が高いとか、移民にはハードルが高いとか、色々です。
欧州のチャレンジャーバンクの場合、お得さと言うよりも存在する既存の問題の解決策として伸びてきた面が大きいと思います。
ただ上記のような問題は既存の銀行でも本気になれば解決出来ます。フランスではネット銀行大手二社が各種料金引き下げの空中戦を広げた結果、今ではチャレンジャーバンクを選ぶメリットが薄く伸びているご当地チャレンジャーバンクは訳ありで銀口座開設出来ない人をターゲットにしたNickelのみ、という有様です。
バンドルカードもどのような既存の問題を解決しようとしているのか気になります。特に銀行口座保有率の高い日本で銀行のデビットカードの認知度や利用率が上がった場合、単に決済では弱いと思います。やはり与信でしょぅか。日本のプリペイド事業は赤字事業です。お買い物のためにしか使われず、決済が行われるときのトランザクションコスト(ネットワークコスト)が大きいからです。クレジットカードは、お買い物に加え、ローン、リボ払いなどの金利収入があるため黒字になります。
プリペイド事業は、決済で稼ぐのではなく、携帯電話事業や他事業の1サービスとして提供することですね。
他国ではポイント還元付きのカードがほとんど存在しないので、決済でも利益がでることになります。