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【経済の体温計としてのビッグデータ】

最近毎日体温計で自分の熱を測る人が多くなっている。

オフィスビルなどに不要不急でない用事で立入る場合や、ホテルなど休業要請の対象になっていない施設に入るときも、入り口には顔にかざして体温を測る機器を持った担当者が立っていて、熱を測ってもらうのが当たり前になった。

コンビニの店員さんや、持ち帰り弁当の調理場で働く人々も、出勤時に体温を確認して、37℃以上の場合は帰って休むように指導されていると聞く。

その理由は、改めて言うまでもない。

では、経済はどうなっているのか?

モノの値段や、様々なモノの売り上げ数量、それらの日々の動きを測ることは、いわゆる「買い溜め」現象や「便乗値上げ」の確認にとどまるものではない。人々がなにを考え、どう感じ、どう振る舞っているかを知る、「経済の体温計測」だと考えるべきだ。
それが、我々の「生活のログ」として日々生成されるビッグデータを集めて解析することで見えてくる。それらのデータは、政府の経済対策はもとより、食品や日常必需品を作っているメーカーの生産計画や、巣ごもり中の一人一人がいつなにを買うか買わざるべきか、という判断をより賢いものにするのに役立つ。

政府の消費者物価指数などは集計に時間がかかる。その遅れは約1カ月。しかも週次や毎日と言った頻度では出てこない。これではマクロのトレンドはわかるが、今日本中の人々がやっている「体温測定」をしてそれをすぐに「行動変容」にむすびつけるようなことはできない。

例えば、都知事の会見の直後に水とヨーグルトが大量に売れたとすれば、それは多くの人が「いいようのない恐怖を感じた」ことを意味しているのかも知れない。ヨーグルトの消費は今の文脈では「免疫力の強化」を意味するからだ。ペットボトルの水は、災害時の備蓄物資として刷り込まれている。
通信会社が提供する人の密集データが自粛の指数として毎日注目されているが他にも見るべきで有効に活用されるべきデータは消費分野にたくさんある。

森永さんの連載には、
こうしたビッグデータを使って、経済の体温を測り、一人一人のリアルタイムの「行動」に結びつけられるような「事実に基づく」議論を展開するという役割を期待したい。