[ロンドン/香港 20日 ロイター] - 英金融大手HSBC<HSBA.L>は、投資銀行部門の上層部のスリム化に乗り出した。ロイターが20日、社内メモの内容を確認して分かった。

3月に就任したノエル・クイン最高経営責任者(CEO)は、計画していた3万5000人の削減は新型コロナウイルスの大流行を理由に凍結すると発表しているが、経営改善に向けた組織再編を引き続き進めていく姿勢が見て取れる。

背景にあるのは金融業界が直面する厳しい状況だ。世界の主要中央銀行による利下げで収益が圧迫されていることに加え、HSBCが本拠とする英国と香港はいずれも新型コロナで特に打撃を受けた。また香港ではHSBCの配当支払い停止に株主が反発している。

このメモによると、HSBCは投資銀行部門にあるグローバル・バンキング・アンド・マーケッツ(GBM)事業の地域責任者の数を減らす方針。GBMアジア太平洋責任者のゴードン・フレンチ氏は半年間の休暇を取得し、米州責任者のアンドレ・ブランダオ氏は年内いっぱい職務を遂行した後、改めて処遇が発表される。欧州責任者のティエリ・ローランド氏は退任し、資産売却を専門とする部門の担当になる。

ロイターが確認した別のメモには、GBMの最高執行責任者アンドレ・クロンジェ氏が退任し、後任が起用されないことも記されている。またHSBCはグローバル・バンキングとコマーシャル・バンキングの後方支援機能の統合を目指しているという。

もう1つのメモに基づくと、新たにGBM中国責任者のデービッド・リャオ氏がアジア太平洋の担当を兼任し、フィリップ・ヘンリー氏は欧州・中東・アフリカ地域を統括することなどが決まっている。