NY原油が暴落、初のマイナス コロナでパニック売り
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世界中の移動制限で需要が蒸発し、買い手のタンクが満杯になり、お金を払ってでも在庫を増やさないようにしたい- という想定外の先物マイナス価格。
現物ならでは、の問題ですね。在庫がはけるまで、つまり、移動が再開するまで、価格低迷は続くでしょう。
因みに、現物問題としては、逆のことが、リスク回避の買いが進む金取引に発生しています。田中貴金属は、金貨等の在庫切れで店頭での取引を停止しています。
https://gold.tanaka.co.jp/commodity/souba/原油先物の主な指標には、WTIとブレントがあります。WTIは、米国の油田からとれた原油を米国で取引する時の指標、ブレントは、それ以外の原油(世界の3分の2)の指標になる、と大雑把にはいえます。今、1バレルマイナス37ドルに下がったのは、WTIの方です。米国の市場の事情を反映した結果と考えられます。ブレントの方は、1バレル26ドルで、それほどの下落は起きていません。
WTIの価格が壊滅的に下落したままであれば、米国の原油採掘業が壊滅する、ということを意味します。
世界全体の原油需要は、3月の時点で、前年比で3割は落ちていたといわれています。もちろん、需要がなくなったわけではないので、供給が多すぎるとはいっても、マイナス価格になるのは本来おかしいことです。
原油輸入国が、在庫を抱える(タンクに貯蔵しておく)のもコストがかかりますから、在庫保有コストが市場への売却値を上回ってしまっている、ということで、一応の説明はつきます。それにしても、前日比マイナス300%の下落ですから、あたかも倒産企業がバッタ屋に在庫を売り払うような価格です。
これまでは、WTIとブレントは、世界の流通が発達して輸送コストが下げられたことで、価格は連動していました。当面、ブレントもWTIに引きずられて下がっていくことが予想されますが、従来通りに両者の価格が同じくらいになっておさまるのかどうかも、よくわからなくなってきました。ブレントというくくりで、北海油田やナイジェリア、アラビア半島の原油が同じ価格で取引されるのも、難しくなるかもしれません。