[マドリード 20日 ロイター] - スペイン中央銀行は20日、新型コロナウイルス感染拡大抑制策が12週間継続されれば、2020年のスペイン経済は最大12.4%のマイナス成長に陥るとの見方を示した。ただ、21年は少なくとも5.5%のプラス成長を回復するとした。

スペインの新型ウイルス感染者数は20万人を超え、感染による死者数は2万1000人に近づいている。

スペイン中銀は、他の国と同様に新型ウイルス感染拡大によりスペイン経済が「極めて深刻」な影響を受けているとし、先行き不透明性は引き続き極めて高いとしながらも、感染拡大抑制措置が実施されている期間に基づく4つのシナリオを示した。

3月中旬に導入された抑制策が8週間で解除された場合、今年の経済成長率はマイナス6.8%になると予想。ただ8週間のロックダウン(都市封鎖)で企業の流動性が枯渇し、債務支払い問題に発展した場合は9.5%のマイナス成長、ロックダウンが12週間続いた場合は12.4%のマイナス成長に陥るとした。

失業率については、最悪のケースでは今年は21.7%まで高まる恐れがあると予想。21年には19.9%に戻すとの見方を示した。

ただ、いかなるシナリオの下でも経済は今年の下半期には上向き始め、来年は「力強く回復」すると予想。来年はプラス5.5─8.5%のプラス成長が見込めるとした。

このほか財政赤字の対GDP比率は、20年は7.2─11%、21年は5.2─7.4%になると予想。公的債務の対GDP比率は20年は最悪のシナリオの下で122.3%まで上昇するとの見方を示した。

国際通貨基金(IMF)は最新の世界経済見通しで、今年はスペインは8%のマイナス成長に陥るとの見方を示した。