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注目のコメント
特集の第2回は、世界の激しいワクチン開発競争の中で「国産ワクチン」の開発を目指す日本企業に取材しました。
彼らの「勝算」の理由とはーー。
以前、『合成生物学の衝撃』の取材で、米国防総省の研究機関DARPAが、感染症対策に深い関心を持っていることを知りました。その時の取材内容の一部が、今回、思いがけず生きました。記事の後半でそのあたりの記述もあるので、ぜひご覧いただければ。以前の記事で紹介されたモデルナはmRNAを、本記事のアンジェスはDNAを使用するワクチン開発を行っています。
核酸(DNA/mRNA)ワクチンが注目されるのは、私たちの細胞内でタンパク質を作らせること・大量合成系が充分に整っていることから、より短期間で開発できるからです。
DNAはmRNAに比べると壊れにくい性質を持つため低コストで大量生産できるメリットがある一方、細胞内のゲノムに組み込まれる危険性はないか?など追加の検討課題も出てくるでしょう。アンジェスの強みはすでにDNAを利用した遺伝子治療を開発した経験があることですので、課題解決のノウハウが蓄積できていると期待しています。
1日でも早くワクチンを開発したい状況ですので、各国が、複数のアプローチで、情報を共有しながら、研究開発が進められるのが理想です。ワクチンができても、僕らが摂取できるの?
これらは全く別の話であるというあまりの核心に、アンジェスへの取材で気付かされました。世界のどこかでワクチンが開発されることは人類として喜ばしいですが、自分が受けられるかは全然違う次元の話です。
今世界で臨床試験に入っているワクチンは、全て「米中」の5件です。そのなかで、出だしこそ遅れたものの、一気にアクセルを踏み始めたアンジェスの「国産ワクチン」の話には、なぜか気づいていなかった、すごく重要な視点があります。