【直言】今だからこそ、ファッションにできること
2020/4/21
立ち上がった一人の女性
新型コロナウイルスの拡大で、各国の医療が危機を迎えている。
特に、アメリカや欧州などの感染爆発が起きたエリアで、深刻になっているのは、感染者数の急増による、医療資材の枯渇だ。
患者にあてがう人工呼吸器だけでなく、感染を防ぐために医療従事者が身に着けるマスク、長袖ガウンなどのPPE(Personal Protective Equipment:個人用防護具)も不足している。
日本でも、一般社団法人職業感染制御研究会が厚労省に対してPPEを確保するよう要請するなど、危機感が高まるなか、一人の日本人女性が立ち上がった。
花沢菊香。アメリカのファッション業界で活躍する実業家だ。
彼女が投資するファッションブランド「VPL」は、女優のスカーレット・ヨハンソンが着用して、雑誌の表紙を飾るなどセレブが愛するブランドにまで成長した。
花沢は、NPO法人「ファッション・ガールズ・フォー・ヒューマニティー(Fashion Girls For Humanity)」という慈善団体も運営する。今、花沢はこの団体を通じて、世界の医療資材の不足と戦っている。
公式サイトに、世界でPPEが不足しているか一覧できるマップを用意した上で、医療用マスクやガウンのひな型をアップロードし、衣料など製造環境を持つ人が誰でも貢献できるようにオープン化を図っているのだ。
世界からアクセスが相次ぐこのイニシアティブ。その取り組みの真意を花沢に聞いた。
「オープンソース化」がカギ
──Fashion Girls For Humanity の活動を詳しく教えてください。
Fashion Girls For Humanityは、2011年の東日本大震災をきっかけに、大きな自然災害が起きるたびに、ファッション業界の人たちが集まって義援金を寄付するNPO法人なんです。
しかし、今回の新型コロナウイルスは局地的ではなく、世界規模の危機。お金を寄付する以外に、ファッションに関わる者として何かできないか、と考えていました。
(Fashion Girls For Humanity公式サイトより)
色々と調査を進めていくうちに分かったのが、医療従事者が着用するPPE(個人防護服)が圧倒的に不足しているということです。
「じゃあ素材さえあれば作れるんじゃない?」と思ったのですが、問題はその素材がないということでした。
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