[香港 20日 ロイター] - 金融情報サービスのリフィニティブのデータによると、10億ドルを超える規模のM&A(合併・買収)が、前週は世界で1件も発表されなかった。「メガディール」が週を通じてゼロだったのは2004年9月以来となる。新型コロナウイルスが経済に及ぼす影響が改めて示された。

年初からの世界のM&Aの規模は総額7626億ドルで、前年から33%減少し、2013年以来の低水準。件数も前年を20%下回る。

法律事務所ベーカー・マッケンジーのアジア太平洋M&Aグループのロバート・ライト氏は「新型コロナの影響への企業の対応が長引き、今四半期はさらに成約案件が減る可能性がある」と予想。ただし、すでにデューデリジェンス(資産査定)を終えていて、強固なファンダメンタルズを維持しているのなら、案件が再び始動するとみている。

条件変更や先行き不透明感からM&Aを撤回するケースもでている。カナダのコンビニエンスストア大手アリマンタシオン・クーシュタール<ATDb.TO>は20日、コンビニやガソリンスタンドを運営する豪カルテックス・オーストラリア<CTX.AX>に対する56億米ドル規模の買収提案を撤回したと発表した。

豪、ドイツ、インドなど国として自国資産の保護へ外資投資規制を強化する動きもある。

買収する側が新型コロナの影響の見極めようとし、大型案件が総じて棚上げ状態となるなか、M&Aを仲介する投資銀行は、救済や事業再編、国有化を視野に置く案件などに活路を見出している。

ただコロナショックからの復活を目指す動きは今後、M&A活動を支援しそうだ。

コンサルティング会社EYの3月のリポートによると、同社が世界の2900人以上の企業幹部に実施した調査で、今後12カ月間に買収を計画しているとの回答が約56%を占めた。

リポートは「現下の危機で低迷が長期化した場合、幹部はより果敢になり、状況が好転した時にダッシュをかけられるように資産の取得に動くだろう」としている。