開疎化がもたらす未来
コメント
注目のコメント
Withコロナ時代における「開疎化」について一本書きました。お題が広範で到底書ききれているとは言えませんが、とりあえず。
ちなみにWithコロナを初めてちゃんと説明し、開疎化を始めて世に問うたブログエントリは以下です。(上のエントリの前編になります。)
そろそろ全体を見た話が聞きたい2
https://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2020/04/04/190643
開疎化検討の原点である「風の谷を創る」運動論については以下。検討を始めてもう二年半になります。
https://kaz-ataka.hatenablog.com/entry/2019/07/15/015558
クリティカルにコメントされている人の考えられていることの大半はもちろん理解しています。タイトルにただ反応するのではなく、まずはこの文章を落ち着いて読み、関連する過去の検討(少なくとも前編のエントリ、できれば風の谷に関するエントリも)を読んでからコメント頂ければ幸いです。
ps. 井上さん大量の質問をありがとうございました。
#Withコロナ #シンニホン #残すに値する未来 #風の谷を創る #開疎化鉄骨ラーメンの中に、オフィスと店舗とそれらに必要なMEPを詰めたコース料理のような建築は、工事も設計も猛烈で、東京では森ビルをはじめとしてその他多くの都市を形成してきました。
どこの国もクッキーカッター的に床面積を量産してきましたが、確かに日本のオフィスは密な島というイメージは拭いきれません。1人当たり床面積を見ても、まあ大体8-12m2なのですが、米国の基準見ると倍くらい。もう少し余裕があってもいいのにな・とは思います。
記事にあるように、これからは既存ビルリノベ工事の波が来ると予想されますが、座席配置だけでなく、ネットセキュリティ、換気、抗ウイルス建材とセットで考慮した意匠屋さん+設備屋さん+微生物屋さんのチームが必要になってくるのだろうか。設備BIMを三菱がリリースしてたので、加速しそうです。
(参考)空調換気機器の設備設計を容易にするアプリを開発、BIM連携も視野に
https://built.itmedia.co.jp/bt/articles/2003/26/news033.htmlスプロール化現象は、ジェイコブスが三丁目の夕日のようなNYマンハッタンを観察して提唱した密密な都市が中心に有ることが前提としてありますね。
その都市もメガロポリス化して、森ビル的なコルビジェタウンになって、横だけでなく縦のゾーニングまでしての密密空間を提供している状況での、ウィルス問題は何らかの啓示として捉えることも可能。
開疎化(オープン・スパースな)空間では、書物に描かれた世界では無い老荘思想の無為自然に触れることで、実在しない世界を内部から作り上げることが可能になるか。東京、ロンドンと遊学して那智の山奥に隠遁した南方熊楠が、晩年和歌山県田辺で銭湯に通いながら思考を深めた、地方の小都市に希望の光が射すか。
中沢新一がパリジャンのベルクソンと対比させた地方小都市民としての熊楠という生き方は、サイバー空間に覆われ均一化が進む地方小都市というフィジカルな空間を、廃仏毀釈でも守り続けた神社や寺院同様、未来の世代に残すためのヒントとなるでしょう。日常の生き方を選択し直す時がやってきたのかもしれません。