株主総会の開催、柔軟に 政府が2段階実施や延期を容認
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昨日報道にあった、有価証券報告書の提出期限を9月末に変更できるようになる措置を受けての対応策ですね。
法人税の申告についても、決算確定日(=株主総会における決算承認の決議があった日)以後に申告書を提出する仕組みのため、国税庁からも追って申告期限の延長について対応策の通知があるものと思われます。連結納税の場合(3月決算の場合通常7月末期限)や消費税申告、事業所税申告(同5月末期限)がどうなるのかも気になるところです。このような状況なので、企業は適時適切な情報開示に努めつつも、感染拡大を防止するため、社員や監査法人の安全を確保する施策も必要と考えます。
また、これを機会にオンライン総会が可能になれば、開催側も株主側も選択肢が増えて柔軟な対応ができるようになると思います。会社法は、株主総会の延期や継続ができることを定め、法律上の用語ではないが、延会、続会(継続会)とよばれる。
どちらも、総会を一旦成立させた上で、一体のものとして後日に開かれる。
こうすることで、株主総会の期限までの不開催による会社法違反を回避しようとするものだ。
延会や続会の決定は、議長権限の内容ではあるが、総会の決議が必要と解されている。総会は開催されなければならず、一つの会議を前半・後半に分ける、「2段階開催」となる。3段階以上に分ける小刻み多段階総会まで可能との見解はみたことがない。
当初の総会と一体なので、当初の総会と延会や続会との間は、合理的な期間(長くても3ヶ月、2週間が通説)でなければならない。
基準日と開催日が離れていると総会開催日の株主の中には、すでに株主ではない者が含まれるといった基準日問題が総会の形骸化問題として議論されていたが、延会・続会の常態化が加わる。
理論的には、株主総会と取締役会の法的性質の問題であり、その権限の均衡の問題だと思う。どちらも、法政策の問題だと見切る極端な考え方もあり得る。取締役会が計算書類を承認し、総会では承認ではなく報告だけですませられるという規定はその表れでもある。
現行会社法では、延会・続会について詳細に定めておらず、解釈が問題となるのだが、オンライン総会もあくまでも、解釈問題として議論されている。
こらとは、別に、バーチャル総会が許されるかという議論がある。特別法の制定で、いわゆるバーチャルオンリー総会を法的に許容したドイツとは、日本の議論は異なる。監査役会(取締役の選任など日本の監査役会とは違う)と取締役会との二層構成などの顕著な違いがドイツと日本にはあるから、単純にドイツの行き方を真似てよいとはならない。
会社法施行規則に、株主(取締役なども)の総会出席の方法を議事録に記載するという規定があので、法は異なる出席方法が認めていると解釈する余地がある。
そこで、出席とは何かが問題となる。株主のオンラインによる参加は出席ではなく傍聴だとの意見が有力なようだ。即時性が確保されても真の相互交通性が確保されていると言えるかが疑問だからだ。
株主は、あくまでも別に開かれるリアル総会へ出席可能で、それへの出席を放棄するだけだから、株主権への侵害はない。
これを「事実上の」バーチャル総会といっている。