東京金先物が最高値 安全資産1グラム5942円
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ドル調達難の下でドル相場が急騰するのが「真のリスクオフ」だとすれば、金が上がっている内は「普通のリスクオフ」です。3月は前者でした。感染状況はさておき、市況はとりあえず改善しています。
企業の将来と政府の財政への不安が高まって、株も社債も国債も通貨の価値も、はたまた需要が減って原油といった“商品”の価値も信頼できないとなれば、頼りになるのは太古の昔から価値保存や交換の手段として緊張されてきた金でしょう。おカネがあれば私だって買いたいところ。しかも、多少は金利があった米国のみならず高い金利が魅力だったオーストラリアなんかまで金利が殆どなくなった。金で持っていたら金利を失う、という負担感もありません。金の需要が増えて価格が上がるのは当然であるように感じます。
ゴールドが40年ぶりの最高値 更新 1g=6513円、ゴールドに今から投資すべきでしょうか?
ゴールド価格の大雑把な推移は以下の通りです。
1980年1月 史上最高値である1g=6495円
1999年9月 1g=962円( 変動相場制以降の最安値)
2001年 IT バブルの崩壊と米国景気後退で世界経済は悪化。米国同時多発テロが発生。1g=1160円
2003年 イラク戦争や北朝鮮によるミサイル発射やイスラエル軍のレバノン侵攻といった度重なる有事。1g=1399円
2007年9月 サブプライムローン問題が発覚し、安全資産である金に資金が流入。1g=2552円
2010年 ギリシャショック 1g=3471円
2012-2019 金価格は膠着状態で1g=4100円台から5100円台の間で推移。
2020年4月 米中貿易戦争やイランの地政学リスク、更に新型コロナウイルスショックにより史上最高値を更新。1g=6513円。
ここから学べることはゴールドが昔から必ずしも万能な投資商品ではなかったことです。
1980年1月にゴールドを購入された投資家は、40年間の月日を経て、やっと利益が出る水準に達したことになります。40年間の年率複利利回り0.007%となります。まるで日本の銀行預金金利のようです。
一方、1999年9月史上最安値でゴールドを投資した投資家はほぼ右肩上がりで今日に達しました。20年間の年率複利利回りは驚異の10.03%です。2012年からの7年間はほぼ横ばい状態でしたから、それ程、ゴールド投資の魅力は無かったのですが、去年から今年に掛けリスクオフの資金移動が盛んになり一気に史上高値を更新するレベルまで上がりました。
これから更に高値を更新するのか否かはやはり新型コロナウイルス感染の進捗状況次第と言えます。どのタイミングで感染が終息を迎え世界経済が回復に向かうかによってゴールドの価格動向は大きく左右されます。つまり、来るべき未来の不透明感が増せば増す程、ゴールドの価格は上昇余地ありと言えるのです。