(ブルームバーグ): 経営再建中のジャパンディスプレイは13日、2020年3月期の売上高は前の期に比べ20%減の約5000億円になる見込みだと発表した。季節要因のほか、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で1-3月期(第4四半期)収益が落ち込むためとしている。

発表資料によると、第4四半期の売上高は19年10-12月期(第3四半期)に比べ約25%減ったもよう。営業損益の黒字化は困難との見通しも示した。ただし、純損益ベースでは株式売却などによる特別利益の計上もあり、下期は最終黒字を達成できると説明した。

同時に公表された第3四半期の売上高は前年同期比40%減の1500億円、営業損益は構造改革や費用低減努力から25億円の黒字だった(前年同期は43億円の黒字)。Jディスプは、昨年11月に発覚した元従業員による不適切な会計処理に関する第三者委員会の調査が長引いているとし、2月に予定していた第3四半期の決算発表を延期していた。

また、同社はこの日、第三者委から調査報告書を受領した。14年3月期以降に行われた架空在庫の計上や費用、損失の先送りなど不適切会計が100億円規模だったことが判明。過去の決算修正に伴い、19年3月期までの有価証券報告書と20年3月期の7-9月期までの四半期報告書を訂正した。

菊岡稔社長はインターネットを通じた会見で、「今後は新しい体制で過去と決別し、信任を回復できるような形でのガバナンスの徹底的な適正化をし、その中で収益力の改善も図る」と述べた。

Jディスプは3月下旬、いちごアセットマネジメントから504億円を調達したほか、INCJ(旧産業革新機構)による融資も優先株へ切り替えたことなどで、債務超過を解消した。

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