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2000年代半ば、鄧小平氏に直接指名された劉華清氏が、中国海軍は2000年頃までに第一列島線内外まで行動範囲を拡大せよ、と号令をかけました。これが第一段階で、2020年までに第二段階、2050年までに第三段階の目標を達成するように指示しています。
2020年と2050年は、中国の目標設定によく出てくる年ですが、これは中国の「二つの百年」に当たります。「二つの百年」とは、中国共産党結党100年の2021年、中華人民共和国成立100年の2049年を指します。キリの良いところで、2020年と2050年とするのです。しかし、中国が見通せる将来は15年程度で、それより先は、抽象的な目標しか定められないことが多いようです。
中国海軍艦艇が、頻繁に沖縄本島と宮古島の間を通峡し始めたのは、2009年頃です。中国海軍は、約10年遅れで、鄧小平氏の指示を達成したことになります。当時の中国海軍艦艇は、5隻で通峡することも多かったのですが、これは洋上補給訓練を実施することが目的の一つでした。当時、中国海軍は、「四方向立体補給」なる補給を訓練していたのです。補給艦の左右に駆逐艦またはフリゲートが並走して給油し、もう1隻は補給艦の後方について、いわゆる縦曳き補給を訓練していたのです。「立体」とは、これら三方向に加えて、ヘリコプターが艦上でホバリングしながら給油を実施することを意味しています。
また、洋上補給を実施する際には、1隻が警戒艦となって周囲を警戒しますので、合計5隻で行動することが多かったのです。
当時はまだ空母がありませんでしたから5隻ですが、今回の通峡は、これに空母を加えた6隻の編成だったということです。空母「遼寧」が就役したのは2012年9月ですが、この頃、「遼寧」の艦長は、「第一列島線は中国を縛る鎖であってはならない」と述べています。それほど、中国海軍は、第一列島線を「中国を抑え込むもの」として意識せざるを得ないのでしょう。
因みに、空母打撃群のフォーメーションは巨大で、隣の哨区にいる艦艇も目視では見えないくらいですが、一般的に8隻程度の駆逐艦・フリゲートがフォーメーションを組みます。中国海軍も完全な編成では8隻の駆逐艦・フリゲートを空母周辺に配置して空母打撃群を形成するようですが、空母と4隻の駆逐艦・フリゲートで形成する艦隊は簡易的な作戦単位なのかもしれません。