【提言】コロナ不況に負けない、3つのステップ

2020/4/14
コロナ危機の今は緊急対応の真っ只中。先行きが見通せない状況だ。企業の中長期戦略として、明るい未来を思い描く余裕はないかもしれない。
こういう時は、先達の経験に学ばせてもらおう。
シリコンバレーで連続起業家として知られるフィル・リービン氏は、経営者として2度の危機を生き延びている。
1度目は、アメリカ同時多発テロ事件だ。2001年、CoreStreet(コアストリート)という認証技術のベンチャー企業を設立した直後に9.11が発生したが、想定外の難局を何とか乗り切った。
次は、2008年のリーマン・ショック。前年にEvernote(エバーノート)のCEOに就任してすぐ、未曾有の危機に見舞われた。しかし、その逆境にめげることなく、2012年には同社をユニコーン(企業の評価額が10億ドル=約1000億円以上で非上場のベンチャー企業)へと成長させている。
当時の経験から得た教訓はこうだ。有事の対応には3つのフェーズがあり、中でも「フェーズ2」の対応が、事業の行く末を決定付ける──。
2017年に立ち上げた「スタートアップ・スタジオ」と呼ばれる新形態の起業家支援組織で、参画する人たちにも語ったという、withコロナの乗り越え方を紹介しよう。
Phil Libin All Turtles(オール・タートルズ) Co-Founder and CEO

ロシア生まれの連続起業家。2007年、インターネット上に文書などを保存・共有するクラウドサービス『Evernote』を提供するエバーノートのCEOに就任。約1億5000万ユーザーが利用するサービスに育てた後、15年7月にCEOを退任。米ベンチャーキャピタルのゼネラル・カタリスト・パートナーズを経て(現在はシニア・アドバイザー)、17年にスタートアップ・スタジオのオール・タートルズを共同創業。20年4月時点で、サンフランシスコと東京、パリに拠点を持ち、20〜30のスタートアップを支援している。

フェーズ1におけるNG行動

── 今回のような有事では、対応に3つのフェーズがあるそうですが、まずは初動である「フェーズ1」で気を付けていることを教えてください。