【週末に読む】ファイナンスの肝「財務レバレッジ」を学ぼう

2020/4/12
教養を身に付けたいけれども、忙しすぎて学ぶ時間が取れない。一方で、日々のニュースだけでは、体系的な知識を得られない──。

そんなビジネスパーソンに向けて、NewsPicks編集部が月ごとにテーマを設定し、専門家による解説をお届けする新企画「プロピッカー新書」。

4月のテーマは「財務」。先週の第1回に続き、今回も投資銀行のバンカー、上場企業のCFOを歴任した、プロピッカーのAki Mori氏が講師役を務める。

「最適資本構成」の水準とは

初回では、ROE、ROIC、ROAといった指標を用いながら「資本の収益性」について解説しました。
収益性分析に3つも指標があるのは、「どんなお金を投じて、どんな利益を生み出したか」が異なるからでした。
株主が投じた資金(株主資本)で生み出した利益率を示すのがROE、銀行借り入れなども含めた投下資本全体に対する利益率を示すのがROIC、総資産に対する利益ではROAです。
そして、ROEは、財務レバレッジ(借り入れ=デット)の活用割合、すなわち資本構成によって大きく変わることにも触れました。
資本構成とは、必要な資金のうちどれくらいを株主からエクイティとして調達し、どれくらいを銀行借り入れなどのデットでまかなうかという配分・割合のことです。
企業価値を最大化するエクイティとデットの割合を「最適資本構成」と言います。
それでは、最適資本構成は一体どういった水準なのでしょうか。これが本日のテーマです。