「選択と集中」の誤算㊤ 大いなる誤訳
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「選択と集中」という言葉が走り出したころから、日本は新しい事業を生み出す経済力が下がったと思いました。
実は、「選択と集中」を話した、ウェルチはCEOを務めた20年間で、1000もの事業を買収したり、新しく始めたりしています。要するに、「何をフォーカスするか、考えて動け」ということだと思います。
経済状況が日に日に変わる中で、「選択と集中」ではなく、「何が一番大切か」を改めて考える必要があると感じます。「選択と集中」が誤訳されたのか、都合よく解釈されたのか分かりませんが、何の脈絡もなく手を広げすぎた事業を整理するのには、ウエルチの言葉は御宣託に思えた大企業の経営者は多かったんでしょうね。
不採算の70もの事業から撤退し、1000もの新規事業を行うというのは、まさにどんな事業が育つか分からないが、既に衰退した分野を捨てて、その代わり体力のあるうちに、可能性のある新規事業に次々と、共食いを物ともせず、邁進してたんですね。
新規事業が成功する確率など小さいですが、自ら新しい産業を作り出せるような事業を手掛ければ、その業界のリーダーになれる訳です。ナンバーツーは、シナジー効果が見込めそうなもので、キャシュカウになりそうなものならやるけれども、あくまでナンバーワンとなる新規分野を開拓したいという思いの方が強かったのかもしれません。
新規事業の見極めはものすごく早かったと思います。
そう考えるとイメルトも同じだったと思えてきます。
「GEのすべての事業は、将来的にその分野における業界ナンバーワンか、ナンバーツーになりうる事業だけにする必要がある」「選択と集中」は多角化戦略を取るGEがトップか二位以内を取るための市場を「選択」し「集中」することだと昔聞いた時は驚きました。多角化戦略のフレームワークであったのに、事業再生だと曲解されてしまったのは、筆者が述べられている通り、バブル崩壊という難局に経営者が聞こえた福音だったのでしょうね。